バナナの『熟度』とは?
日本に輸入されるのは青々としたバナナ
フィリピンなどの産地で、バナナは、まだ青々としているうちに収穫されます。収穫されたものは品質検査を経て保冷船に積み込まれ、日本へ向けて出港します。
フィリピン産であれば、バナナの保管温度が常に13~14℃に保たれながら約5日間かけて日本まで運ばれます。その温度だと熟成が止められ、青いままで日本に到着することになるのです。ちなみに、熟成が進んだ黄色いバナナは、傷みやすく害虫もつきやすいなどの理由から、日本では輸入が禁止されています。
こうして日本に到着したバナナは、室(ムロ)と呼ばれるところで追熟され、黄色くなります。室は、温度・湿度などが管理された熟成室で、バナナはここで少量のエチレン(植物の熟成ホルモン)を与えられ、数日間かけておいしく熟成した後に出荷されていくのです。
カラーチャートで見るバナナの『熟度』
このようにバナナは、熟成するに従い、青から黄色を経て茶色へと皮の色が変化していきます。この色の変化から食べ頃を判断するひとつのスケールとしてバナナのカラーチャートというものがあります。
カラーチャートは、追熟前の「オールグリーン」から、シュガースポットと呼ばれる茶色い斑点が表面に出始める「スター」、さらにはシュガースポットが全面に広がる「ダップル」まで、通常、7~8段階に分かれています。
バナナは、実際には、カラーチャート5の「グリーンチップ」あたりから店頭に並びはじめ、食べ頃となってきます。この「グリーンチップ」のバナナを、『熟度』をあらわす表現で『青めバナナ』と呼びます。そして、カラーチャート6の「フルイエロー」を同じく『熟度』表現で『黄色バナナ』、カラーチャート7・8の「スター」や「ダップル」を『茶色バナナ』と呼びます。
バナナの色の変化
1.オールグリーン
日本に入荷された直後のもので、バナナ全体が緑色でおおわれ、固くて甘みもほとんどありません。
2.ライトグリーン
バナナがほんのりと黄色がかった浅緑色へと変化し始め、熟成過程に入ったことを示す状態です。
3.ハーフグリーン
黄色みはありますが、まだ全体的に黄色と緑色が半々の状態です。一般的に長距離輸送は、この状態のときに行われます。
4.ハーフイエロー
緑色はまだ残っていますが、全体的に黄色みが強まった状態です。近距離輸送はこの状態の時に行われます。
5.グリーンチップ
店頭に並び始めたばかりのバナナです。ネックとチップにまだ「青め」が見られるのが特徴です。
6.フルイエロー
全体が「黄色」に完熟した状態のバナナです。十分な甘みがあり、バナナらしい味わいが楽しめます。
7.スター
シュガースポットと呼ばれる「茶色」い斑点が所々に現れ、深い甘みと芳醇な香りが楽しめます。
8.ダップル
シュガースポットが全体に現れて「茶色」が濃さを増し、まさに熟し切った状態のバナナです。
バナナは常温保存してください。冷蔵庫に入れておくと冷えて皮が黒くやわらかくなってしまいますが、これは、カラーチャートとは関係ありません。(追熟したのではなく低温障害による色の変化です。)