フレッシュさを 求めるならこれ!『整腸効果』も期待できる青めバナナさっぱりした甘さや酸味を楽しみたい方におススメです
固めでしっかりとした食感が楽しめます
特に『整腸効果』が期待できます

バナナに含まれる食物繊維の効果

食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。

どちらの食物繊維も、腸内に生息する善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌の餌(栄養源)となり、これを増やしてくれます。ビフィズス菌や乳酸菌が増殖すると、これらの善玉菌が体によい酸を合成し、腸の蠕動運動が促進され、結果として摂取した食物を消化管内でスムースに消化吸収させるための腸の蠕動運動を助けます。

特に水溶性食物繊維は、水に溶けるとゲル状になり、腸内で余分な脂質(コレステロール)に吸着し、包み込んだまま便として体外へ排泄してくれる役目も果たします。バナナに多く含まれるのは、不溶性食物繊維の方ですが、水溶性食物繊維も含んでいますので、これらの両方の効果が期待できます。

バナナに含まれるフラクトオリゴ糖の効果

バナナには、フラクトオリゴ糖という糖類も含まれていますが、これは、比較的消化されにくい構造をしています。そのため、胃や小腸で消化・吸収されることなくそのまま腸へと届き、食物繊維と同様に善玉菌の餌となりこれらを増殖させて、排便回数が増加したり便性を改善するなどの効果が期待できます。しかも、腸内に生息する悪玉菌の一種であるウエルシュ菌には利用されないので、より腸内環境を良好に保つことができます。

フラクトオリゴ糖には、こうした整腸効果以外にも、ミネラルの吸収を促進したり骨密度の低下を抑制するなどのありがたい効果もあります。

なぜ『青めバナナ』には、特に「整腸効果」が期待できるのか?

整腸効果を考える上で、もうひとつ忘れてはいけない成分があります。それは、「難消化性デンプン」と呼ばれるもので、これが、食物繊維と同様の働きをすることが分かっています。

しかも、この難消化性デンプンは、『青めバナナ』に多く含まれ、熟成するにつれて分解されて糖化していきます(バナナが熟成に従い甘みを増すのはこのためです)。バナナは、100gあたり19.3~25.8gが糖質ですが、弘前大学の加藤陽治教授らの研究(*)によると、未熟な段階では約20%がデンプン質の形をとり、糖分との割合はデンプン:糖=20:1で、これが熟成すると1:20に逆転することが分かりました。つまり、まだ熟しきっていない『青めバナナ』には、食物繊維と同様の働きをする難消化性デンプンが多く含まれている分、特に「整腸効果」が期待できるのです。

【バナナ100g当りの糖量(単糖・オリゴ糖)と細胞壁および澱粉】image

弘前大学の研究(*)では、フィリピン産のバナナでは、デンプン量が0日目22.5g、8日目18.4g、15日目3.1gと減少し、糖分が0日目1.2g、8日目4.0g、15日目19.1gと増加しました。この結果が示すように、『熟度』が進むにつれてデンプンが糖化され、果実の熟成を迎えることが分かりました。

(*)『バナナの澱粉』(2011年3月・弘前大学教育学部  食物学研究室 教授 加藤 陽治ら)による

【監修】有限責任事業組合 ABC コンサルティング 代表首都大学東京 名誉教授 農学博士 東 直樹

1966(昭和41)年東京大学農学部農芸化学科卒。サントリー株式会社研究部部長、首都大学東京大学院人間健康科学研究科教授などを経て現職。食品等の機能性研究・評価、医薬・食品等の開発指導、講演、執筆等で活躍中。 書籍『知るほど、なるほど、バナナのチカラ!!』(2010年2月白馬書店/著者:山吉久雄)も監修。