モデルマウスによるバナナの花粉症予防効果の研究第8回日本機能性食品医用学会で報告(2010年12月)

実験方法

まず、スギ花粉抗原抽出液を得るため、超音波破砕した花粉を遠心分離機にかけ、遠心上清を抗原抽出液とした。

スギ花粉症発現モデルマウス

そして、雄のマウス24匹を用いて以下の実験プロトコルを設定した。

A群:バナナも、スギ花粉も投与せず。

B群:バナナを投与せずに、スギ花粉を皮下投与。

C群:バナナを3週間継続して投与。スギ花粉は投与せず。

D群:バナナを投与開始直後から、スギ花粉を皮下投与。バナナはその後も3週間投与を継続。

3週後、すべてのマウスの腹腔内にスギ花粉抗原を注射し()、翌日に解剖した。

image

(注)C群とD群には、市販されているフィリピン産のバナナ(ジャイアントキャベンディッシュ種)を、マウス1匹あたり1日約10gずつ投与した。A群とB群にはバナナを投与せずに、通常の飼料を投与した。

測定項目

各群のマウスより得られた腹腔洗浄液を遠心し、沈殿したものから白血球数と好酸球数を算定。

1.総白血球数はスギ花粉投与の有無にかかわらず、バナナの投与により増加した。

総白血球数(マウス)image

2.好酸球(=アレルギーにより増加する白血球)は、スギ花粉抗原の投与により著明に増加したが、その増加率は、バナナ投与群(C群、D群)では、非投与群(A群、B群)よりも小さかった。

好酸球数(マウス)image

結論

・バナナ食は、腹腔内白血球数を増加させる。
・スギ花粉投与は、腹腔内好酸球数を増加させる。
・バナナ食は、スギ花粉投与による好酸球数の増加(=スギ花粉アレルギー反応)を抑制する。