バナナの定期的摂食がヒトスギ花粉症に及ぼす影響 [研究結果]
臨床試験の解析結果
1)全体解析
- ・バナナ摂食群、非摂食群共に、第2回目は第1回目と比較して有意な変化は観察されなかったが、第3回目には、第1回目、第2回目と比較して著明な変化を示した。以上より、特に第3回目のデータを中心に、両群間で比較した。
- ・バナナ摂食群と非摂食群の比較では、第3回目のQOL問診票におけるスコア1項目(くしゃみ症状)について、バナナ摂食群で非摂食群よりも有意な低値を示した。
- ・その他の検討項目については、いずれもバナナ摂食群と非摂食群の間に有意差は認められなかった。
2)層別解析(第3回目のデータ)
・年齢別
・低年齢層(35歳以下)では、ガイドライン自覚症状スコア1項目(重症度)、QOL問診票における自覚症状スコア2項目(くしゃみ、目のかゆみ)、QOLスコア5項目(日常生活、戸外活動、睡眠、精神生活、合計点)、およびQOL総括評価スコアについてバナナ摂食群で非摂食群よりも有意な低値を示した
・性別
・男性では、QOL問診票における自覚症状スコア1項目(くしゃみ)、およびQOLスコア1項目(精神生活)について、バナナ摂食群で非摂食群よりも有意な低値を示した。
・IgE抗体価別
・IgE抗体価低値群(クラス3以下)では、QOL問診票における自覚症状スコア1項目(くしゃみ)について、バナナ摂食群で非摂食群よりも有意な低値を示した。
・重症度別
・軽症群では、ガイドライン自覚症状スコア1項目(鼻づまり)およびQOL問診票における自覚症状スコア1項目(鼻づまり)について、バナナ摂食群で非摂食群よりも有意な低値を示した。
・中等症状群では、QOL問診票における自覚症状スコア1項目(くしゃみ)が、バナナ摂食群で非摂食群よりも有意な低値を示した。
解析結果のまとめ
- ・バナナの摂食は、スギ花粉症による自覚症状、およびQOLスコアの悪化を部分的に抑制した。
- ・バナナ摂食によるスギ花粉症抑制効果は、低年齢層、男性、IgE抗体価低値群でより著明だった。
- ・バナナの摂食は、スギ花粉飛散による血液中好酸球の増加、およびスギ花粉特異的IgEの増加に対して明らかな影響を及ぼさなかった。