バナナの定期的摂食がヒトスギ花粉症に及ぼす影響 [研究概要]第11回日本機能性食品医用学会で報告(2013年12月)
スギ花粉症患者に、2013年のスギ花粉飛散シーズン(1月下旬~3月末)において、バナナ(1日200g)を8週間摂食させる臨床試験を実施し、バナナの摂食がスギ花粉症の病態、及び自覚症状に及ぼす影響について検討しました。
対象被験者
過去のスギ花粉飛散シーズンにおいて、スギ花粉症症状が出た患者のうち以下の条件を満たす患者
1.スギ花粉飛散前(2012年12月~2013年1月)の血液検査にて、スギ花粉特異的IgE抗体価が陽性
(クラス2以上)を呈した患者
2.スギ花粉症の自覚症状が、鼻アレルギーガイドラインにおいて軽症、あるいは中等症であった患者
3.過去にステロイドを含む点鼻薬、あるいは経口薬が不要であった患者
研究デザイン
バナナ摂食によるスギ花粉の予防効果(臨床介入試験)
1.スギ花粉症患者52名を、年齢、性別、重症度、及び抗アレルギー薬使用者数の比率がマッチするように、バナナ摂食群26名とバナナ非摂食群26名に分けた。
2.バナナ摂食群患者には、2月上旬~3月下旬の8週間に1日あたりバナナ2本(朝1本100g、夕1本100g)を毎日摂食させた。バナナ非摂食群患者には、同期間中、バナナの摂食を禁止した。
3.対象被験者全員について、臨床試験期間中に計3回の問診、及び血液検査を実施し、以下の項目について調査、測定した。
評価項目
- ・鼻アレルギーガイドラインにおける自覚症状スコア
- (くしゃみ、鼻かみ、鼻づまり、重症度)
- ・QOLスコア
- 1.QOL調査票における主観的な自覚症状スコア
- (鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみ、目のかゆみ、涙目)
- 2.QOL調査票におけるQOLスコア
- (日常生活、戸外活動、社会活動、睡眠、身体機能、精神生活)
- 3.QOL総括評価スコア
- ・血液検査
- 血中好酸球数、血中スギ花粉症特異的IgE抗体価
参考資料