冷えからくる冬の不眠に要注意!
“肌荒れ”、“肥満”、さらには“冬季うつ”につながる可能性も!?
実はバナナは睡眠に有効なサプリメント!? キーワードは“トリプトファン”
“朝”のバナナはダイエットだけじゃない!手軽に快眠をサポート!
睡眠コンサルタント友野なお先生からの睡眠HOW TOも紹介
段々と冷え込む日が増え、いよいよ本格的な冬の季節に入ってきました。実は冬の“寒さ”が日々の睡眠に影響があると言われており、睡眠の質の低下は寝苦しい夏だけでなく、冬も要注意です。特に睡眠の質低下は「肌荒れ」や「肥満」などの女性の悩みに関連します。そして日照時間の短い冬は「冬季うつ(季節性感情障害)」を引き起こす可能性があり、それが不眠につながる可能性もあります。
また、日本人の睡眠時間の短さは世界各国と比較しても顕著であり問題視されています。2019年の経済協力開発機構OECDの国際比較調査では、日本人の睡眠時間が加盟国中で最も短く、特に女性の睡眠時間の短さが報告されています。
こちらでは、冬の睡眠の注意点や睡眠の鍵を握る「トリプトファン」についてご紹介します。また、睡眠の対策方法としてバナナの活用法や日常におけるおすすめ習慣などを睡眠コンサルタント友野なお先生監修の下、ご紹介いたします。
冬の睡眠の質低下に要注意!
冬は睡眠の質を下げる様々な要因が潜んでいます。そして睡眠の質の低下は心身に影響を及ぼしかねません。
冬の眠りの質低下の要因
- 気温の低下
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人は眠りにつく際に手や足先から熱を出して、内臓の温度をさげることで眠りに入ります。しかし寒さによって四肢が冷えてしまっていると放熱がうまくいかなくなってしまいます。
- 日中の活動量の減少
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良質な睡眠には適度な疲労も必要です。冬は気温の低さから、外出や運動が減る傾向にあり、日中の活動量が減少することで、適度な疲労を得られなくなってしまいます。
- 日照時間の短縮
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良質な睡眠には朝の目覚めが関係します。日の出が遅い冬は朝の光の刺激が少なく、目覚めが悪くなります。また起床時の光不足は、体内時計のリセットや覚醒を促すホルモン分泌を妨げ、目覚めが悪くなってしまうことも考えられます。
- 肌荒れ
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肌が新しく生まれ変わるためには、肌の内部で細胞分裂が起こることが必要ですが、この細胞分裂は、睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで促進されます。
- 肥満
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睡眠時間と肥満の関連性は様々な研究※1から報告されています。睡眠不足が食欲ホルモンの分泌や空腹感の増大を招き、食行動に影響します。
- 冬季うつ(季節性感情障害)
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日照時間の短さ(日光の不足)は、過眠、過食、体重増加等の季節性のうつ状態に関与しているといわれています。冬は脳の神経伝達物質である「セロトニン」の分泌が減少する傾向にあり、精神の安定や自律神経のバランスを崩しやすくなります。
※1 : 2017早稲田大学、花王株式会社共同研究、2016筑波大学など
良質な睡眠の鍵をにぎるのは“トリプトファン”、“セロトニン”、“メラトニン”
「眠り」には「メラトニン」という別名「睡眠ホルモン」の分泌が大きく関わっています。このメラトニンの分泌を促すのが、「セロトニン」という物質であり、さらにはセロトニンを生み出すのが「トリプトファン」という必須アミノ酸です。
つまりはこの「トリプトファン」の摂取が「睡眠」にとって重要となります。そして、「トリプトファン」は体内で合成することができず、食べ物から摂取する必要があるという点がポイントです。
- トリプトファン(必須アミノ酸)
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体内では合成できないため、食品からとることが必要。
- セロトニン(脳内物質)
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日中の「元気」や「癒し」の源となる神経伝達物質。夜になると脳の松果体でメラトニンに変換される。
- メラトニン(睡眠ホルモン)
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深い睡眠を促す、別名「睡眠ホルモン」
睡眠には「トリプトファン」を摂取!だけではダメ
実は、より良く眠るためには「トリプトファンを多く含む食材を摂取すればいい!」というわけではありません。
トリプトファンの他に「炭水化物」、「ビタミンB6」を組み合わせることがポイントです。
- POINT①
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トリプトファンの摂取だけではダメ!「炭水化物」、「ビタミンB6」が必要!
- POINT②
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「トリプトファン」「炭水化物」「ビタミンB6」をバランスよく摂取するには“バナナ”!
“朝”にバナナで快眠サポート!
睡眠コンサルタント友野なお先生おすすめ「手もみジュース」で簡単摂取
良質な睡眠にはトリプトファンを摂取するタイミングも重要です。朝トリプトファンを摂取することで昼間の意欲的な活動が後押しされ、メラトニン分泌という側面だけでなく、日中を活動的に過ごせて上手に疲れることができるという点からも快適な眠りが後押しされます。
- トリプトファンを朝食で摂取
- 日中を意欲的に活動
- 疲れから快適な眠り
朝のバナナで快眠サポート「てもみジュース」
朝食をゆっくり作ったり、食べることができない忙しい人には簡単に食べられるバナナがおすすめ。
さらには、トリプトファンを同じように含む牛乳と摂取することでトリプトファンの摂取をより強化することもできます。
バナナと牛乳のてもみジュース
①火を使う必要もなければ、ジューサーなどの道具も用意しなくてOK。食材をひと口大のサイズにちぎって袋のなかに入れ、約1分、手でもみもみします。
②これをグラスに移すだけで、美味しくて栄養たっぷりのフレッシュジュースができあがり。食材を手で揉むことで酵素の活性化にもつながり、健康と美容効果も抜群です。
<レシピ例>
バナナ1本/イチゴ5粒/ヨーグルト100g/牛乳100ml/ハチミツ小さじ1
睡眠コンサルタント友野なお先生おすすめ、簡単にできる睡眠対策
少し工夫を凝らすだけで、睡眠の質を高めることができます。日常の簡単な睡眠対策をご紹介。
- 睡眠対策① 光を取り入れる
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良質な睡眠サイクルを整えるためには、まず朝の目覚めを良くすることが重要。朝起きたら「太陽の光を15秒間」見ること。これにより体内時間をリセットし、夜に正常な眠気がおとずれるようになります。
- 睡眠対策② 音・香り
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音がないと安心して眠れない方はハードな音楽でなく、クラシックやヒーリング音楽などを聴くようにして、リラックスしましょう。就寝後のタイマーのセットをお忘れなく。リラックスするためにアロマテラピーはとても有効です。中でもラベンダーは不安感を解消して睡眠の質を上げることにつながります。
- 睡眠対策③ 温活・入浴
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快眠を促すためには適度に体を温めることも重要です。
- ・38~40℃のお湯で全身浴することで血流を促し入眠をサポート
- ・首、手首、足首を温めて、自律神経のバランスを整える
- ・42℃のお湯に10分間、手と足(手・足浴)をつけて温めることで、
入眠時のスムーズな手足の放熱をサポート。
睡眠コンサルタント友野なお先生がアドバイス
やってはいけない!実は間違っている睡眠改善法
日常に潜む良質な睡眠を阻害する行動をご紹介。
- やってはいけない① カーテンを閉め切る
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太陽の光は快適な目覚めをサポートします。起床時にまぶた越しでも日光を感じられるように、レースのカーテンのみにするか、少しカーテンを開けておくと良いでしょう。
- やってはいけない② 21時以降の運動
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激しめの運動をすると興奮・緊張状態に関わる交感神経が活発になり、その後の眠りに影響を及ぼします。ストレッチ程度にとどめましょう。
- やってはいけない③ 寝る前の考えごと
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夜はマイナス思考に陥りがちですが、要注意。特に寝る前に一日の反省点を振り返ってしまうと、寝つきに影響が出てしまいます。逆に良かったことや上手くいったプラスなことを振り返りましょう。
- やってはいけない④ 寝る前のドキドキ
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読書やドラマ、映画などのドキドキするものや続きが気のなるものは気を付けましょう。特に寝る前に読書を習慣にしている人も少なくないですが、ミステリーやサスペンスは要注意です。
睡眠コンサルタント 友野なお先生からアドバイス
睡眠の質はイコール健康の質、キレイの質、人生の質といっても過言ではないことを、これまで多くの研究が明らかにしています。
特に、睡眠の「質」が高まることで昼間の主観的な健康感やQOLが高くなることが報告されているのです。普段の眠りにちょっとした質を高めるコツをプラスすることで、睡眠時間は自分を磨くエステ時間にもなれば、ダイエット時間にも変わります。
快眠をサポートするためのアプローチ法は様々な角度から存在していますが、快眠体質に生まれ変わるために最も重要なことは「自分が無理なく楽しく続けられること」です。トリプトファンを含むバナナは、体にもお財布にも優しく、しかも美味しく楽しみながら続けられる習慣なら、眠りだけでなく生活そのものも豊かになるでしょう。
友野 なお
睡眠コンサルタント / 株式会社SEA Trinity代表取締役
千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程にて予防医学の観点から睡眠を研究。順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。
自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。著書に「昼間のパフォーマンスを最大にする正しい眠り方」(WAVE出版)、「疲れがとれて朝シャキーンと起きる方法」(セブン&アイ出版)など多数。