便秘に関する調査
便秘対策にうってつけなのはバナナだった
便秘は自身の「食生活」が原因になっていると自覚している人が最多! 便秘は見た目にも悪影響!? 他人の「ポッコリお腹」を気にしたことがある人は約7割! 便秘の女性は「ストレス」や「肌荒れ」「睡眠不足」にも悩まされている!

女性の社会進出が進む中で、女性は身体的にも精神的にも、今までに直面していなかったような辛さと向き合っているケースがあるといいます。そんな中で多くの女性が抱えがちな悩みが「便秘」です。日本バナナ輸入組合は、バナナとも縁が深い食生活と便秘の関係について、20代~40代の便秘に悩む女性500人を対象にアンケート調査を実施しました。
この調査を通じて明らかになったのは、多くの女性が便秘に苦しんでおり、その救いを食生活に求めているものの、一般的に言われている「便秘に効く食べ物」ではあまり効果を実感できていないという人が多いという実態です。また多くの女性が、便秘だけではなく「ストレス」や「肌荒れ」、「睡眠不足」にも苦しんでいるという結果が出ました。

<調査結果サマリー>

・便秘は「食生活」のせいで起きていると考えている人が最多!
・便秘の女性は便秘以外にも「ストレス」「肌荒れ」「睡眠不足」で辛さを感じている
・取り入れている便秘対策、一番人気は「食生活の改善」も効果は感じられず毎日続けづらいという実感
・便秘は見た目にも悪影響!?便秘による「ポッコリお腹」気にしたことがある人が9割以上!
・便秘で「困ったことがある」人はなんと8割以上!「ある日倒れた…」という人まで!?

【調査方法】インターネット調査
【調査期間】2014年9月10日~9月12日
【調査対象】全国の20歳~49歳までの便秘の女性500名

便秘と食生活の密接な関係とは!?

■便秘は「食生活」のせいで起きていると考えている人が最多!

便秘だと思う一番の原因は次のうちどれですか?

自分の便秘が、どういったことが原因で起きているかを質問しました。最多は、「食生活」で34%。現代女性は食生活が乱れている、と喧伝されていますが、便秘の原因になっているという自覚のある女性が多いということが明らかになりました。2番目には「運動不足」が30.8%、3番目が「ストレス」という結果に。運動不足が結果的に食べ物の消化不良を招き便秘に繋がっている、と考えている人や、高ストレス社会ということもあるためか、ストレスゆえに便秘になっている、と考えている人も多いという実態が明らかになりました。

次の内最もストレスに感じることは何ですか?

便秘になっている現代女性は、どのようなことで強くストレスを感じているのでしょうか。最多は、「仕事」で35.8%。女性の社会進出が続く一方で、その結果として仕事で強いストレスを感じてしまっている女性も多いようです。2番目に多かったのは26%で「家庭事情」という結果となりました。

■便秘の女性は便秘以外にも「ストレス」「肌荒れ」「睡眠不足」で辛さを感じている

便秘以外で悩んでいることを教えて下さい。

便秘に悩んでいる人は、便秘以外では、どのようなことで悩みを抱えているのでしょうか。最も多かったのは「ストレス」で47.4%。思い通りにいかないお通じは、やはりストレスに繋がってしまうようです。続いて多かったのが、「肌が荒れている」で45.8%。「睡眠不足」が39.2%で続きました。

総評すると、便秘の方は便秘のみならず、心身両面で様々な方向で負担を強いられている人が多いという結果になりました。

■取り入れている便秘対策、一番人気は「食生活の改善」

心身ともに、様々な負担を便秘が与えているということが前述の結果からわかります。このような辛い症状を引き起こす便秘対策のために、女性はどのような行動をとっているのでしょうか。

現在、取り入れている便秘対策は何ですか?

「現在、とり入れている便秘対策はなんですか?」と質問したところ、最多は「食生活の改善」で44.4%という結果になりました。2番目に続いた「便秘薬を飲む」よりも16%も多い結果となり、「便秘対策はまずは食事から」と考えている人が多いという結果となりました。

■「便秘に効く」と言われている食べ物は、毎日食べるのに適しておらず、効果が感じられないという人が大半

普段便秘に効くと思い、一番多く食べているモノは次のうちどれですか?

続いて食事方面の対策事情を調べるべく、「普段便秘に効くと思い、一番多く食べているモノは次のうちどれですか?」という質問をしました。結果、最多は「ヨーグルト」で59.4%。なんと便秘に悩む女性の6割近くがヨーグルトを食べているという結果に。続いて「ヨーグルト」とは大きく差が開いて「牛乳」が11%で2番目に。「便秘に効く食べ物といえばヨーグルトしかない」と考えている人が大半だということが明らかになりました。

どのくらいの頻度で食べていますか?

また便秘に効くと思っている食べ物を、どのくらいの頻度で食べるのか質問しました。その結果、「毎日食べている」と回答した人はわずか18.6%。「週に5~6日食べている」と回答した人も10.8%しかおらず、「便秘に効く」と思っている食べ物が、毎日食べるのにはあまり適していない、と感じている人が多いという実態が明らかになりました。

効果をどのくらい実感していますか?

更に、「便秘に効く」と思っている食べ物を実際に食べた上で、どのくらい効果を実感しているかを質問しました。結果最も多かったのは、「あまり効果を感じなかった」で35%。「効果を感じなかった」が17.8%、「全く効果を感じなかった」が13.6%おり、合わせると7割近くの人が、「便秘に効く」と言われている食べ物を食べてもそれほど効果を実感できていないようです。

これまでに知られている便秘対策食品では「毎日食べるのは難しい」と考えている人が多く、また「あまり効果も実感できない」と考えている人が多いという実態が明らかになりました。

ポッコリお腹によって「ある日倒れた・・・」という人も

■便秘による「ポッコリお腹」気にしたことがある人が9割以上!

自分のポッコリお腹を気にしたことはありますか?

便秘の症状として、お腹が少し膨らんで見えてしまう「ポッコリお腹」というものが知られています。便秘にともなう「ポッコリお腹」に悩んでいる人は非常に多く、「自分のポッコリお腹を気にしたことはありますか?」という質問をしてみたところ、「とてもある」と回答した人が54.6%と半数を超えました。「少しある」が21.2%、「たまにある」が16.4%という結果になり、あわせて9割近くの人が、「ポッコリお腹」を気にしたことがあるという結果になりました。

周りの人のポッコリお腹を気にしたことがありますか?

さらに、「周りの人のポッコリお腹を気にしたことがありますか?」という質問に対しても、「とてもある」が24.8%、「少しある」が24.2%、「たまにある」が19.8%と回答。合わせて7割近くの人が気にしたことがあるという結果に。

便秘は、体調やメンタル面だけではなく、自身の見た目にも影響を与えている、という実態が浮き彫りになりました。

■便秘で「困ったことがある」人はなんと8割以上!「ズボンのチャックがしまらなかった」という人から「ある日倒れた…」という人まで

便秘によって困ったことはありますか?

様々な方面で苦しめられている人が多いという結果が明らかになった便秘ですが、改めて「便秘によって困ったことはありますか?」と質問しました。結果は、「とてもある」と回答した人が22.8%、「よくある」と回答した人が24.2%、「たまにある」と回答した人が34.6%という結果になりました。多くの人がやはり、便秘で困った経験があるようです。

実際にどのような困った経験をしたのかを見てみると、

・ある日倒れた……
・便秘でスカートやズボンのチャックがしまらなかった
・便秘がひどいときは吐き気がする
・ものすごい腰痛で立っていられなかったり、座ったらお腹がつっかえるのでみっともない
・体が重い
・肌荒れやポッコリお腹が気になる

といった、切実な意見が多く見られました。

最後に、腸のスペシャリスト 内科医の松生恒夫先生に、便秘に効果的な食材について聞きました。

松生先生の見解

—便秘で悩む女性が多い中、どういった食べ物を食べるとよいのでしょうか?

当院に診察にくる患者さんには“バナナ”を1日2本食べることをおススメしています。“バナナ”は、昔は高級な食べ物でなかなか手に入らなかったのですが、今ではスーパーなどで安価に手に入れることができます。また、低カロリー(約100グラム=バナナ1本分で86キロカロリー)で食物繊維、オリゴ糖に加えてビタミンB₂群、B₆、マグネシウムが豊富なので腸内環境を改善でき、便秘には効果的な食べ物だからです。腸内環境が良くなると、軟便にして排便をスムーズにすることを助けるのでおススメをしています。

—今と昔で、便秘に関する悩みの変化はあるのでしょうか?

昔と違って、今はPCやタブレットなど便利な機器が登場し、デスクで仕事をすることが多くなったと思いますが、それによって体を動かすことが少なくなっているので腸が動かなくなり、その結果便秘につながるといったことが考えられます。また、アンケート結果にもあるように仕事でのストレスや緊張状態が長く続くことにより脳や腸が動かなくなってしまうので、「お腹がすく」と感じにくくなり、食べ物を食べなくなり、腸内環境が悪くなるケースもあります。

—最近「炭水化物を食べない」といったダイエットなども流行っていますが、やはり腸に悪影響を及ぼすのでしょうか?

そうですね、最近“お米”を食べないなど炭水化物を取らない10代の方がよく診察に来られるようになったと思います。腸内の善玉菌を増加させ、腸内環境を良くさせるためにはオリゴ糖をとらなくてはいけません。オリゴ糖は、単糖(炭水化物を分解したときに、これ以上分解できない最少単位)が2~20個結びついたものをいいます。こういったダイエットを続けていると最悪、大腸がんの原因になることもあります。
バナナにはオリゴ糖が含まれており、かつ日本人の必要栄養成分で不足していると言われているマグネシウム、食物繊維が豊富に含まれているので、これらを補足するといった意味でも有用な果物なのです。

—冬になると患者さんの数が増えると聞きましたが、なぜ冬は便秘になりやすいのでしょうか?

冬の冷えが腸の働きを鈍らせてしまい、その結果便秘になりやすくなります。おススメな食べ方は、バナナと甘酒を一緒に食べてみること。甘酒には腸の働きを助ける乳酸菌を摂取できると同時にお腹を温めることもできます。バナナに含まれる豊富な栄養分と、体を温め腸の働きを助ける甘酒の相性はとてもよいと思いますし、どちらも安価でどこでも手に入れることができるのでおススメの食べ方ですね。

文中のエネルギー値(kcal)は、日本食品標準成分表 2015年版(七訂)によります。

松生クリニック
院長・医学博士 松生恒夫 先生

≪プロフィール≫
1955年東京都生まれ。80年東京慈恵会医科大学を卒業。83年同大学第三病院内科助手、94年松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年松生クリニックを開業。腸のスペシャリストとしてメディアでも活躍中で、自らのクリニックに便秘外来を設け、地中海式食生活や漢方療法なども診療に取り入れ効果をあげている。医学博士、日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。『腸内リセット健康法』(講談社+α新書)、『40歳からの腸内改造』(筑摩書房)、『いつもスッキリ!快腸美人』(永岡書店)など腸に関する著書多数。