栄養ベストマッチ朝のバナナ+ヨーグルト

“脂肪燃焼成分”をほどよく含む

バナナには、ビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、B6などのビタミンB類がバランスよく含まれています。このようなビタミンB類は、糖質(炭水化物)や脂質、タンパク質などの酵素代謝に深く関わり、細胞内のエネルギーの産生に欠かせません。これらが欠乏すると、脂肪細胞中の脂肪が十分にエネルギーに換えられないまま余分な体脂肪として体内に蓄積され、正常な体脂肪率を保つことが難しくなります。

また、ビタミンB類のほか、必須アミノ酸のメチオニンやリジンも、ビタミンCや鉄などとともにカルニチンという脂肪の燃焼を促進する成分を合成します。

このように、バナナに含まれる脂肪燃焼成分によって脂肪を燃やしダイエット効果が期待できるとともに、肥大化した脂肪細胞を適正なサイズに戻すことで免疫系の働きを正常に保つこともできます。

理にかなった「朝のバナナダイエット」

寝ている間にも体を維持するために体内の糖類は消費されています。このため、忙しい現代人は「朝食抜き」という人も多くいます。このような人たちにとっても手軽に食べることができ、ほどよいエネルギー補給ができるバナナは、1日の始まりに適した食品といえましょう。

ちなみにバナナはとても低カロリーで、1本(100g)あたり86kcalしかありません。ご飯1杯(150g)あたり252kcalなので、約1/3です。カロリーが低いわりには腹持ちがよいのもバナナがダイエットに適している大きな理由のひとつです。

1食あたりのエネルギー

さらに、一般的に行われる食事量や回数を減らし摂取カロリーを抑えるダイエットでは、体に必要な栄養素を十分に摂ることができなくなり、かえって心身の健康を崩すことにもつながりかねません。これに対して、脂肪燃焼効果や体調維持効果が期待できるビタミンB類や必須アミノ酸、その他ミネラル類などもバランスよく含み、体調を維持しながら無理なくダイエットできるとても好都合な食品といえましょう。

文中のエネルギー値(kcal)は、日本食品標準成分表 2015年版(七訂)によります。

ヨーグルトとの相性も抜群

食物繊維や難消化性デンプンを含むバナナと、乳酸菌を含むヨーグルトを同時に摂ることで、その相乗効果によってさらに整腸作用が高まります。また、バナナに含まれるマグネシウムには、ヨーグルトに含まれるカルシウムの吸収や働きを助ける働きがありますので、バナナとヨーグルトを同時に摂ることで、骨形成が促進されたり骨粗鬆症を予防したりする効果が期待できます。

また、バナナの甘みとヨーグルトの甘みや酸味は非常に相性が良く、食味向上効果も期待できるうれしい組み合わせといえましょう。

【監修】有限責任事業組合 ABC コンサルティング 代表首都大学東京 名誉教授 農学博士 東 直樹

1966(昭和41)年東京大学農学部農芸化学科卒。サントリー株式会社研究部部長、首都大学東京大学院人間健康科学研究科教授などを経て現職。食品等の機能性研究・評価、医薬・食品等の開発指導、講演、執筆等で活躍中。 書籍『知るほど、なるほど、バナナのチカラ!!』(2010年2月白馬書店/著者:山吉久雄)も監修。