安全確認システム
海外からバナナなどの農産物が到着すると、農林水産省、厚生労働省による輸入検査が行れます。 基本的な検査の流れを紹介します。
ステップ1 植物検査申請
輸入者が植物検査を受けるにあたって、バナナを輸入する港を管轄する農林水産省植物防疫所に検査の申請をします。その際「植物、輸入禁止品等輸入検査申請書」および、輸出国政府が発行する「植物検査証明書」などを提出します。
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ステップ2 植物検査の実施
港に到着したバナナは保税倉庫に納められた後、植物防疫法に基づいた植物検査が行われます。検査は指定の場所で行われ、検疫病害虫や土壌付着の有無などを調べられます。精密な検査が必要な場合は、植物または付着病害虫を植物防疫所に持ち帰り、顕微鏡等を用いて判定を行います。
植物防疫法に基づく検査(農林水産省)
海外には日本の農作物に被害を及ぼす恐れのある病害虫の発生が多数確認されています。 このような病害虫の国内への侵入を防止するため、外国から輸入される植物類はすべて病害虫の検査が行われます。
ステップ3 植物検査合格書発給
植物検査の結果、検疫病害虫が発見されなかった場合は合格となり、合格証明書が発給されます。不合格の場合は、廃棄・返送・消毒のいずれかの措置がとられます。
ステップ4 輸入届出申請
輸入者はバナナを輸入する港を管轄する厚生労働省検疫所に輸入の届出をします。検疫所では届出内容に基づき、以下のようなことを審査します。
・残留農薬は基準値以内か
・添加物の使用基準は適切であるか
・有毒有害物質が含まれていないか
・過去衛生上の問題があった輸入者か
など
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ステップ5 検査
バナナの中から検査用サンプルを抜き取り、残留農薬検査などが行われます。
食品衛生法に基づく検査(厚生労働省)
食品としての安全性を確保するため、食品衛生法に基づき、残留農薬や食品添加物などの化学物質の分析、食中毒の原因となる病原菌の検査などが行われます。
ステップ6 届出済証の発行
審査や検査の結果、食品衛生上問題ないと判断された食品に対して、「食品等輸入届出済証」が発行されます。
合格したバナナは通関を経て国内に流通されます。不合格の場合、廃棄、積戻し等の措置がとられます。
ステップ7 国内流通時の検査
国内に流通されたバナナは各地方自治体によって、市場や店頭で抜き取られ、残留農薬等などの検査が行われます。
注釈
- ^ [1] 食品衛生法違反の可能性が低い食品については、厚生労働省所管の検疫所が農薬の使用実態などを把握するために計画的な検査を実施しています。これをモニタリング検査といい、商品の流通を妨げないように、検査結果を待たずに輸入通関手続きを進めることができます。ただし、モニタリング検査において違反が判明した場合は、ただちに回収・廃棄の措置がとられます。また、モニタリング検査で2回以上違反があると、命令検査の対象となります。
- ^ [2] モニタリング検査で違反があったり、違反の可能性が高い食品については、検疫所の命令により、輸入者自らの費用負担で検査が行われます。これを命令検査といい、検査結果が判明するまで通関手続きはできません。